ネット銀行の手数料はどのくらい安い?ATM・振込手数料の仕組みと比較ポイントを解説

銀行口座を選ぶうえで、手数料の安さは見逃せないポイントです。ATMを使うたびにかかる利用手数料や、振り込みのたびに発生する振込手数料は、一回あたりは数百円程度であっても、積み重なると年間で無視できない大きな負担になります。
ネット銀行は実店舗を持たない合理的なコスト構造から、これらの手数料をメガバンクより安く設定しているケースが多いのが特徴です。
本記事では、手数料の種類や仕組みから、銀行を比較する際のポイントまで詳しく解説します。
ネット銀行の手数料が安い理由

ネット銀行が従来の店舗型銀行よりも圧倒的に安い手数料を実現できているのには、明確な理由があります。
店舗・人件費を持たないコスト構造が手数料に反映される
メガバンクや地方銀行は、駅前の一等地に支店を構え、多くの窓口スタッフを配置しています。これに対し、ネット銀行は物理的な店舗を原則として持たず、手続きのほとんどをオンライン上で完結させています。
店舗の賃料、光熱費、そして膨大な人件費といった固定費を大幅に削減できるため、その削減分を利用者の手数料の引き下げや預金金利の向上に充てることができるのです。このコスト構造の違いが、そのまま利用者の経済的メリットに直結しています。
オンライン振込は窓口・ATM振込より安い
銀行の手数料は、手続きにかかる手間やシステム負荷によって決まります。窓口での振込は行員の対面対応が必要であり、ATMでの振込も現金の管理や機器の維持にコストがかかります。
一方で、ネット銀行が得意とするオンライン振込は、すべてがシステム上で自動処理されるため、銀行側のコストが最小限で済みます。
ネット銀行は最初からこの効率的なデジタル処理を前提に設計されているため、他行宛ての振込であっても格安、あるいは一定回数無料といったサービスを提供できるのです。
ネット銀行の主な手数料の種類

ネット銀行を利用する際にかかる主な手数料は、大きく分けて以下の4つです。これらを正しく理解しておくことが、コスト削減の第一歩となります。
ATM利用手数料(入金・出金)
自前のATMを持たないネット銀行は、コンビニや提携銀行のATMを利用します。これにかかるのがATM利用手数料です。
預け入れ(入金)は無料としている銀行が多いですが、引き出し(出金)については、一回あたり110円から220円程度の手数料がかかるのが一般的です。ただし、多くのネット銀行では、利用実績に応じて月間数回まで無料にする優遇制度を設けています。
他行あて振込手数料
自分の口座から、他の銀行の口座へお金を送る際にかかる手数料です。
メガバンクでは300円から600円程度かかることも珍しくありませんが、ネット銀行では150円前後、あるいはそれ以下に設定されていることが多く、コストの差が最も顕著に現れる項目と言えます。
同行あて振込手数料
同じ銀行の口座間で送金する場合の手数料です。ネット銀行の多くは、この同行あて振込を24時間365日いつでも無料としています。家族間での送金や、同じ銀行を使っている取引先への支払いにおいて非常に有利です。
口座維持手数料
日本では馴染みの薄い項目ですが、一部の銀行や特定の外貨預金口座などでは、口座を持っているだけで月額費用がかかる場合があります。
しかし、現在の国内ネット銀行の多くは、個人・法人ともに口座維持手数料を無料としており、放置していてもコストがかからないのが一般的です。
手数料を比較するときの3つのポイント

数あるネット銀行の中から、自分にとって最もおトクな一校を選ぶためのポイントを3つ整理しました。
無料回数の多さだけでなく、無料条件の達成難易度を確認する
ネット銀行の多くは、手数料を無料にするための条件を設けています。例えば、預金残高が30万円以上、あるいは給与受取口座に指定するといった内容です。
表面上の無料回数だけを見て選ぶのではなく、自分がその条件を無理なく達成できるかどうかを慎重に判断しましょう。
残高が少なくても、スマホアプリの利用だけで無料枠が付与される銀行もあり、自分の資産状況や生活スタイルに合った条件を探すことが重要です。
ステージ制度の仕組みと優遇内容を把握する
ネット銀行には、ランクやステージと呼ばれる優遇制度が広く採用されています。取引状況に応じてステージが上がり、それに比例して無料回数が増えていく仕組みです。
ここで注意したいのは、最上位ステージの特典は手厚くても、下位ステージでは特典が極端に少ない場合があることです。自分が無理なく到達できる中位ステージの優遇内容が充実している銀行こそ、実用的な選択肢といえます。
提携ATMの種類と自分の生活圏に合っているか確認する
どれほど手数料が安くても、近所に提携ATMがなければ意味がありません。自分がよく使うコンビニやスーパーに設置されているATMが、その銀行と提携しているかを確認しましょう。
特定のコンビニATMなら回数制限なく無料になるという銀行もあるため、生活圏内での利便性を第一に考えるべきです。
ネット銀行の手数料一覧(主要行比較)

ネット銀行は各行で手数料や無料回数の条件が異なるため、事前に比較しておくことが重要です。ここでは、主要ネット銀行の手数料を個人・法人それぞれの視点からまとめて紹介します。
個人口座の手数料比較
ネット銀行の個人口座は、条件を満たすと手数料が無料になる「優遇プログラム」を各行が設けているのが特徴です。無料回数を超えた場合でも、他行宛の振込手数料は77〜145円程度とメガバンク(窓口880〜990円)と比べて大幅に安く抑えられます。
| 銀行名 | ATM出金手数料(月) | 他行宛振込手数料 | 無料回数の目安 |
| GMOあおぞらネット銀行 | 110円〜(無料回数あり) | 75円 | ATM:月2〜20回振込:月1〜20回(カスタマーステージによる) |
| 住信SBIネット銀行 | 165円〜(無料回数あり) | 77円 | ATM:月2〜20回振込:月1〜20回(ランクによる) |
| 楽天銀行 | 220〜275円〜(無料回数あり) | 145円 | ハッピープログラムで最大月7回無料。口座開設から2か月は月3回無料 |
| auじぶん銀行 | 110円〜(月2回まで無料) | 99円 | 振込:月3回まで無料 |
| PayPay銀行 | 165円〜(無料回数あり) | 145円 | 条件により変動 |
| イオン銀行 | イオン銀行ATMは何度でも無料 | 110円 | コンビニATM(イオン以外)は条件により有料 |
※表の手数料はネットバンキング利用時の税込金額。最新情報は各行の公式サイトをご確認ください。
法人口座の手数料比較
法人口座は個人口座に比べて他行宛の振込手数料がやや高めに設定されている場合がありますが、それでもメガバンクの窓口に比べれば圧倒的に安い水準です。振込件数が多い事業者ほど、手数料の差が経費に直結するため、銀行選びが重要になります。
| 銀行名 | 他行宛振込手数料 | 無料回数・優遇制度 |
| GMOあおぞらネット銀行 | 145円(優遇適用で129円〜) | 新規開設後翌々月まで月20回無料(設立1年未満は最大12か月) |
| 住信SBIネット銀行 | 145円(優遇プログラムあり) | 開設月・翌月は月10回まで無料。件数に応じて割引 |
| 楽天銀行 | 150円(3万円未満)/229円(3万円以上) | 取引件数によるステージ制で無料回数が増加 |
| PayPay銀行 | 145円 | 新規開設から翌々月末まで月5回無料 |
| 三井住友銀行 Trunk | 145円 | 同行(約3,000万口座)宛は無料 |
※最新の手数料・条件は各行の公式サイトでご確認ください。
振込件数が多い法人にはGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行、三井住友銀行との取引が多い場合はTrunkも選択肢に入ります。
GMOあおぞらネット銀行の手数料の特徴

GMOあおぞらネット銀行は、特におトクな手数料体系と、それがビジネスや個人の利便性に直結している点が大きな強みです。
まず他行宛振込手数料ですが、個人口座であれば一回75円(カスタマーステージによる)、法人口座でも一律145円という、業界最安水準の価格設定を実現しています。
これは、毎月の支払い業務が多い個人事業主や法人にとって、圧倒的なコストメリットとなります。
また、個人向けのカスタマーステージ制度「カスタマーステージ」では、預金残高だけでなく、外貨預金やデビットカードの利用状況などに応じてランクが決定されます。
最上位ステージでなくても、他行宛振込やATM利用の無料回数が一定数確保されているため、普段使いのメインバンクとして非常にバランスが良いのが特徴です。
さらに、同行のデビットカードは利用金額の最大1.2%がキャッシュバックされるため、手数料を節約するだけでなく、日常の決済を通じて実質的なプラスを生み出すことも可能です。
まとめ
ネット銀行の手数料は、実店舗を持たない合理的なコスト構造を背景に、メガバンクより大幅に安く設定されています。ただし、ATM手数料や振込手数料の無料回数、優遇条件は銀行ごとに細かく異なります。
表面的な数字だけでなく、自分の利用頻度や生活圏にある提携ATMの種類、そして無理なく達成できる優遇条件などを総合的に比較することが大切です。実際のコストが最小になる銀行を賢く選び、日々の固定費を賢く削減していきましょう。
※本コラムは2026年3月31日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です。





