法人の印鑑証明書の取得に必要なものと手順【2026年最新】窓口・郵送・オンライン別に解説

法人の印鑑証明書は、重要な契約や法人口座の開設など、ビジネスの様々な場面で求められる書類です。
「何を準備すればいいか」「どこでどうやって取得するのか」と戸惑う方も少なくありません。
本記事では、法人の印鑑証明書の取得に必要なものを事前準備から丁寧に整理し、窓口・郵送・オンライン申請の3種類の取得方法をわかりやすく解説します。
法人の印鑑証明書とは

まず、法人の印鑑証明書とは何か・どのような書類かを理解しておきましょう。
個人の印鑑証明書と混同しがちですが、発行機関・取得方法・使われる場面が大きく異なります。事前にその違いを把握することで、手続きをスムーズに進められます。
法人の実印(代表者印)が正式なものと証明する書類
法人の印鑑証明書とは、会社の代表者印(法人の実印)が法務局に登録された正式な印鑑であることを証明する公的書類です。
法人が重要な契約を締結する際に使用する代表者印が、正規に登録されたものであると第三者に対して証明するために使用されます。法人の実在と代表者の押印が正式なものであることを公的に担保する役割を持っています。
印鑑証明書には、法人の商号・本店所在地・代表者の氏名・代表者印の印影が記載されています。
個人の印鑑証明書との違い(市区町村ではなく法務局で発行)
個人の印鑑証明書は市区町村の窓口やコンビニで取得できますが、法人の印鑑証明書は法務局(登記所)でのみ取得できます。発行機関が異なるため、個人と同じ感覚で手続きを進めると混乱する場合があります。
法人の印鑑証明書の発行は、登記事項証明書(謄本)と同様に法務局が管轄しています。
コンビニでは取得できない(個人と異なる点として明記)
個人の印鑑証明書はコンビニのマルチコピー機で取得できますが、法人の印鑑証明書はコンビニでの取得には対応していません。法務局の窓口・郵送・オンライン申請のいずれかの方法で取得する必要があります。
法人の印鑑証明書が必要な場面

法人の印鑑証明書は、ビジネスにおけるさまざまな重要な手続きで必要になります。どのような場面で求められるかを把握しておきましょう。
重要な契約(不動産賃貸・売買・融資契約等)
事務所・店舗の賃貸借契約や不動産売買契約、金融機関からの融資契約など、法的な拘束力を持つ重要な契約を締結する際に法人の印鑑証明書が求められます。
特に高額取引や長期にわたる契約では、相手方が法人の実在と代表者権限を確認するために印鑑証明書の提出を求めるケースが多いです。
法人口座の開設(銀行によって要否が異なる)
法人口座の開設時に印鑑証明書が必要かどうかは銀行によって異なります。メガバンク・地方銀行の窓口では印鑑証明書の提出を求めることが多い一方、ネット銀行ではオンライン完結で印鑑証明書が不要なケースもあります。
口座開設を急いでいる場合は、事前に申し込む銀行の必要書類を確認しておくことで手続きをスムーズに進められます。
許認可申請・補助金申請
建設業許可・宅地建物取引業免許など行政からの許認可申請や、各種補助金・助成金の申請時にも印鑑証明書の提出が求められることがあります。
行政手続きの場合、発行から3ヶ月以内のものを求められることが多いため、申請の直前に取得することをおすすめします。
許認可が必要な業種(建設業・宅建業・古物商等)の場合は、許認可申請のタイミングに合わせて印鑑証明書の準備計画を立てておくことをおすすめします。
その他(官公庁への届出・公正証書作成等)
税務署・都道府県・市区町村への各種届出書や、公正証書の作成時にも印鑑証明書が必要なケースがあります。
また、会社の役員変更・定款変更・増資など、法人内部の重要な変更手続きにも印鑑証明書が必要になる場合があります。
法人の印鑑証明書の取得に必要なもの【一覧】

法人の印鑑証明書を取得するには、事前の準備が2段階必要です。①印鑑登録の完了と②印鑑カードの取得が前提となり、その後に実際の証明書申請ができます。
①法人の実印(代表者印)
法人の印鑑証明書を取得するための前提として、法人の実印(代表者印)が必要です。代表者印は設立時に作成し、設立登記の申請と合わせて法務局に届け出ます。
代表者印がまだ作成されていない場合は、印鑑専門店やオンラインショップで注文できます。作成には数日かかることがあるため、設立スケジュールに合わせて早めに準備しましょう。
②印鑑登録の完了(設立登記時に自動で登録される場合もある)
法人の印鑑登録は、会社設立時の登記申請と同時に行われます。設立登記申請書に「印鑑届書」を添付することで、登記完了と同時に代表者印が印鑑登録されます。
既存の法人で代表者が変わった場合や印鑑を変更した場合は、改めて法務局に印鑑届書を提出して登録の変更・更新が必要です。
印鑑登録が完了しているかどうかは、法務局の窓口または登記・供託オンライン申請システムで確認できます。
③印鑑カード(取得には別途申請が必要)
印鑑カードは、法人の印鑑証明書を取得する際に必要なカードです。設立登記申請と同時には交付されないため、別途「印鑑カード交付申請書」を法務局に提出して申請します。
印鑑カードは法人の印鑑証明書を請求する際の本人確認・権限確認の役割を果たします。紛失した場合は再申請が必要となるため、厳重に保管しましょう。
④申請者本人の本人確認書類(窓口・郵送の場合)
窓口での取得時に代理人が申請する場合や、郵送申請の場合は申請者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードのコピーなど)が必要になることがあります。
申請前に法務局または申請先の銀行・機関に必要書類を事前確認しておくことで、書類不備による手戻りを防げます。
事前準備①:法人の印鑑登録の方法

法人の印鑑証明書を取得するための第一段階として、法人の印鑑登録が完了していることが必要です。
会社設立の登記申請と同時に印鑑登録が完了する仕組み
株式会社・合同会社などの設立登記申請を行う際に、「印鑑届書」を同時に提出することで、登記完了と同時に法人の実印が法務局に登録されます。
印鑑届書には代表者の印鑑(登録する実印)と代表者個人の実印・印鑑証明書が必要です。設立時に司法書士に依頼した場合は、司法書士が一括して手続きを行うケースが多いです。
設立後に追加・変更が必要な場合の手続き
代表取締役の交代・氏名変更・住所変更など、登記事項に変更があった際は法務局への変更登記と合わせて印鑑の登録情報を変更する必要があります。
また、印鑑を紛失・破損した場合にも新しい印鑑への変更登録が必要です。変更登録は代表者本人が法務局の窓口で手続きを行います。代理人が手続きを行う場合は委任状が必要です。
代表者変更の際は、まず役員変更の登記申請を行い、その後新しい代表者名義で印鑑届書を提出します。この順番を間違えると手続きが止まることがあるため注意しましょう。
印鑑登録ができる印鑑の規定(サイズ・素材等)
法務局に登録できる印鑑には規定があります。一辺の長さが1cm以上3cm以内の正方形の中に収まるもの、印影が鮮明に確認できるものが条件です。シャチハタなどのゴム印は登録できません。
事前準備②:印鑑カードの交付申請

印鑑登録が完了したら、次に印鑑カードを取得する必要があります。印鑑カードがないと印鑑証明書の請求ができません。
印鑑カードは証明書取得のために必須のカード
印鑑カードは法人の印鑑証明書を請求する際に必要な専用カードです。銀行のキャッシュカードと同様のICカード形式で、カード番号が印鑑証明書申請の照合に使用されます。
窓口・郵送・オンライン申請のいずれの方法でも、印鑑カードの番号(印鑑カード番号)が必要となります。設立後に早めに取得しておくことをおすすめします。
法務局の窓口または郵送で交付申請する方法
印鑑カードの交付申請は、法人の本店所在地を管轄する法務局(登記所)の窓口に「印鑑カード交付申請書」を提出することで行えます。
郵送での申請も可能です。申請書を法務局宛に郵送すると、後日カードが届きます。オンライン(電子申請)での印鑑カード交付申請は現在対応していないため、窓口か郵送での手続きが必要です。
申請書の様式は法務局の公式サイト(https://houmukyoku.moj.go.jp)からダウンロードできます。窓口に直接出向ける場合は、その場で申請書を記入して提出するとその日のうちにカードが発行されます。
交付手数料は無料・カードは代理人でも申請可能
印鑑カードの交付は無料(手数料なし)で行われます。代表者本人だけでなく、委任状と代理人の本人確認書類があれば、代理人による申請も可能です。
印鑑カードは1法人に対して1枚のみ発行されます。代理申請の際は委任状の書式に誤りがないよう、法務局の公式サイトで確認してから準備しましょう。
法人の印鑑証明書の取得方法3種類と手順

印鑑登録が完了し印鑑カードを取得したら、以下の3種類の方法で印鑑証明書を取得できます。
| 取得方法 | 手数料 | 主な特徴 | 日数目安 |
| 窓口申請 | 450円 | 即日取得・印鑑カード持参 | 即日 |
| 郵送申請 | 450円 | 申請書類・定額小為替を郵送 | 3〜5営業日 |
| オンライン申請 | 430円 | 登記・供託オンライン申請システムを利用 | 数日(郵送受取の場合) |
①法務局の窓口で取得する方法(手数料450円)
法務局(本店所在地を管轄する登記所)の窓口に「印鑑証明書交付申請書」と印鑑カードを持参して申請します。申請書は法務局の窓口で入手できます。
窓口での取得は申請当日に書類が受け取れるため、急いで入手したい場合に適しています。手数料は1通450円で、収入印紙で支払います。収入印紙は法務局内で購入できる場合が多いです。
受付時間は各法務局によって異なりますが、平日の9時〜17時(または16時)が一般的です。昼休み(12時〜13時)に窓口が閉まる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
複数通必要な場合はまとめて申請できます。通数に応じて収入印紙を用意(1通あたり450円)しておくと手続きがスムーズです。
②郵送で申請して取得する方法(手数料450円)
郵送申請では「印鑑証明書交付申請書」・手数料分の定額小為替(450円分)・印鑑カードのコピー・返信用封筒(切手貼付)を用意して法務局宛に郵送します。
定額小為替はゆうちょ銀行または郵便局で購入できます(発行手数料100円)。申請書の様式は法務局のウェブサイトまたは窓口で入手できます。
郵送申請では到着から返送まで通常3〜5営業日程度かかります。急ぎの場合は速達の利用や窓口申請への切り替えを検討しましょう。
③オンライン申請で取得する方法(手数料430円)
法務局が提供する「登記・供託オンライン申請システム(https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/)」から申請できます。事前にシステムへの利用登録と電子証明書の取得が必要です。
オンライン申請の手数料は1通430円で、窓口・郵送より20円安く設定されています。支払いはインターネットバンキングまたは電子納付で行います。
申請後、書類を法務局の窓口で受け取るか、郵送で受け取るかを選択できます。窓口受取の場合は当日から数日で取得可能です。
取得にかかる日数・受付時間の目安
最短で入手したい場合は窓口申請が確実です。郵送は3〜5営業日、オンライン申請は選択方法によって異なります。急ぎでない場合は手数料が20円安いオンライン申請も有効な選択肢です。
法人の印鑑証明書に関するよくある注意点

法人の印鑑証明書を取得・使用する際に知っておきたい注意事項を確認しておきましょう。
有効期限:発行から3か月以内が求められるケースが多い
法人の印鑑証明書に法律上の有効期限はありませんが、提出先(銀行・官公庁・取引先など)から「発行から3ヶ月以内のもの」を求められることがほとんどです。
提出期限に余裕を持ったスケジュールで取得しましょう。使用予定が決まっている場合は、提出直前に新たに取得し直すことを基本とすることをおすすめします。
複数の手続きで同時に印鑑証明書が必要な場合は、申請時に複数枚(1通ずつ手数料がかかります)を同時に取得することで、再取得の手間を省けます。
代表者以外でも印鑑カードがあれば取得できる
印鑑証明書の取得は代表者本人が行う必要はなく、印鑑カードを持参していれば従業員・社員など代理人でも取得できます。
社内で総務担当者などに印鑑カードを預けておくことで、代表者が不在の場合でもスムーズに取得できる体制を作ることができます。
印鑑カードを紛失した場合の対処法
印鑑カードを紛失した場合は、速やかに本店所在地を管轄する法務局に届け出て、既存のカードを廃止してから再交付申請を行います。
紛失カードは第三者に悪用されるリスクがあるため、発見できない場合は速やかに廃止手続きを行うことが重要です。再交付手続きも無料で行えます。
合同会社でも手続きは株式会社と基本同じ
合同会社の印鑑証明書の取得手続きも、株式会社と基本的に同じ流れで行います。設立登記時の印鑑届・印鑑カードの申請・証明書の申請、いずれも法務局での手続きは共通しています。
法人口座開設で印鑑証明書が必要かどうかは銀行によって異なる

法人口座の開設を検討している方は、申し込む銀行によって印鑑証明書の要否が異なる点を理解しておくと手続きがスムーズです。
書類準備の手間を最小化したい場合はネット銀行が有効な選択肢です。都市銀行での審査が厳しい場合の代替手段としても活用されています。
都市銀行・地方銀行:窓口申込では印鑑証明書が必要なことが多い
メガバンク・地方銀行の窓口での法人口座開設では、印鑑証明書の提出を求められることが一般的です。印鑑証明書の他に登記事項証明書・定款など複数の書類が必要になることも多く、書類準備の手間がかかります。
ネット銀行:オンライン完結で印鑑証明書が不要な場合もある
ネット銀行の法人口座開設はオンラインで完結するため、印鑑証明書の提出が不要なケースがあります。必要書類を登記事項証明書と代表者の本人確認書類のみに絞っている銀行もあり、書類準備の負担が大幅に軽減されます。
GMOあおぞらネット銀行の法人口座はオンライン申請で書類負担が少ない
GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設はオンラインで完結し、必要書類も比較的少なく設計されています。法人設立直後の忙しい時期に、書類準備の手間を最小化しながら法人口座を開設できる点が評価されています。
また、GMOあおぞらネット銀行は個人口座・個人事業主口座にも対応しています。個人としてGMOあおぞらを使い始め、法人化の際も法人口座を開設できるため、「個人でも法人でもGMOあおぞら」として事業の成長に合わせてシームレスに活用できます。
まとめ
法人の印鑑証明書を取得するには、事前に法人の印鑑登録の完了と印鑑カードの交付が必要です。取得方法は窓口・郵送・オンライン申請の3種類で、手数料は430〜450円です。
コンビニでは取得できない点が個人の印鑑証明書と大きく異なります。
法人口座の開設では印鑑証明書の提出を求める銀行もありますが、GMOあおぞらネット銀行のような一部のネット銀行ではオンライン完結で書類負担が少なく、法人設立直後の手続きをスムーズに進めることができます。





