ネット銀行の住宅ローン借り換えガイド|注意点・メリット・おすすめ銀行を解説

住宅ローンの借り換えを検討する際、「ネット銀行に借り換えると本当にお得になるのか?」「どのネット銀行を選べばいいのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ネット銀行は店舗型銀行に比べて金利が低い傾向にあり、月々の返済額や総返済額を大きく減らせる可能性があります。
ただし、諸費用や審査の厳しさといった注意点も理解しておく必要があります。
本記事では、ネット銀行で住宅ローンを借り換えるメリット、おすすめの銀行、諸費用、手続きの流れ、注意点までをわかりやすく解説します。
ネット銀行の住宅ローン借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを解約して新たな住宅ローンに組み直すことです。
より低金利のローンに切り替えることで返済の負担を軽減することを目的としており、金利環境の変化に合わせて最適なローンに乗り換える手段として広く活用されています。
現在のローンを組んだ時期の金利と比べて市場金利が下がっている場合や、より良い条件の銀行が登場した場合が借り換えの主なきっかけです。
現在のローンを一括返済し新しいローンに組みなおす
住宅ローンの借り換えは、現在借り入れている金融機関へのローンを全額一括返済し、新たに選んだ銀行でローンを組み直すことで行われます。
新しいローンで現在の借入残高分の資金を調達し、その資金で旧ローンを一括返済する仕組みです。物件の担保(抵当権)も旧銀行から新銀行へ移し替える手続きが必要になります。
手続きは、新しいローンを選んで申し込み、審査・契約・融資実行・旧ローン完済という流れで進みます。手続き期間は通常2〜3ヶ月程度かかることが多いため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
借り換えには、現在の銀行への一括返済と新しい銀行への申込みを並行して進める必要があるため、書類の準備や調整をしっかり計画することが重要です。
ネット銀行が住宅ローン借り換え先に選ばれる理由
ネット銀行が住宅ローンの借り換え先として選ばれる最大の理由は、金利の低さです。
実店舗を持たないことで人件費や固定費を削減でき、その分を金利の低さに反映させているため、同じ条件の借り換えでも店舗型銀行よりも低い金利を提示できるケースが多いです。
また、仮審査から本審査まで多くの手続きがオンラインで完結するため、平日に窓口へ出向く時間を確保しにくい方にも使いやすい環境が整っています。
団信のプランが充実していること、住宅ローン専用のシミュレーターが使いやすいことも、ネット銀行を借り換え先に選ぶ理由としてよく挙げられます。
借り換えに適したタイミング
住宅ローンの借り換えに適したタイミングには、一般的な目安があります。現在の金利と借り換え後の金利差が1%以上ある場合、残返済期間が10年以上ある場合、残高が1,000万円以上ある場合のいずれかに該当すれば、諸費用を上回る削減効果が期待できる可能性があります。
金利上昇局面では変動金利から固定金利への切り替えを検討するタイミングでもあり、2024年以降の金利上昇を受けて借り換えを検討する方が増えています。
タイミングを判断する際は、まずシミュレーターで削減効果を試算することから始めましょう。諸費用を差し引いた実際の削減額を確認してから動くことが借り換え成功の第一歩です。
ネット銀行で住宅ローンを借り換える3つのメリット

ネット銀行への借り換えには、金利以外にも複数のメリットがあります。主要なメリットを3つ紹介します。
メリットを正しく理解した上で、自分の状況に合わせた借り換えの目的を明確にすることが、最適な借り換え先を選ぶための出発点です。
月々の返済額や総返済額を減らせる
住宅ローンの借り換えで最も大きなメリットが、月々の返済額と総返済額の削減です。
例えば、残高3,000万円・残期間25年のローンで、現在の金利が年1.5%から借り換えにより年0.5%に下がった場合、月々の返済額は約1万5,000円程度減少し、総返済額では400万円以上の差が生じることもあります。
ただし、借り換えには数十万円の諸費用がかかります。削減効果が諸費用を上回るかどうかをシミュレーターで試算した上で判断することが重要です。
金利差が小さくても残期間が長い場合は削減効果が大きくなる場合があります。残期間・残高・現在の金利を組み合わせて総合的に判断することが大切です。
シミュレーターは各銀行の公式サイトで無料で利用できます。現在の返済明細と手元に用意した上で複数銀行を比較すると、より正確な削減効果の比較ができます。
団体信用生命保険(団信)のプランを見直せる
住宅ローンの借り換えは、加入している団体信用生命保険(団信)のプランを見直す良い機会でもあります。
現在のローンで加入している団信が基本的な死亡・高度障害保障のみの場合でも、借り換え先のネット銀行でより充実した団信に加入できる場合があります。
例えば、auじぶん銀行では全疾病保障付きの団信を無料で付帯しているプランもあり、がんや就業不能になった場合に残債が免除される保障を受けられます。
団信のプランは銀行によって大きく異なります。金利だけでなく、保障内容の充実度も含めて総合的に比較することが大切です。
固定金利・変動金利の切替えができる
住宅ローンの借り換えは、金利タイプを切り替えるタイミングとしても活用できます。
現在の変動金利ローンから固定金利ローンに切り替えることで、将来の金利上昇リスクに備えられます。逆に、現在の固定金利が高すぎると感じる場合は、変動金利への切り替えによって短期的な返済負担を軽減できる場合もあります。
2024年以降、日銀の金融政策の変化により金利上昇局面が続いています。変動金利のままで金利上昇リスクを抱えている方は、借り換えを通じた固定金利への切り替えを検討する価値があります。
ただし、固定金利は変動金利よりも一般的に高く設定されているため、金利タイプの切り替えは月々の返済額が上がる可能性もあります。長期的な返済計画全体での比較が必要です。
借り換えにおすすめのネット銀行5選

以下では、住宅ローンの借り換えにおすすめのネット銀行を5行紹介します。
各行の金利・団信・特徴を比較しながら、自分に合った借り換え先を選ぶ参考にしてください。なお、金利は2026年5月時点の情報に基づいており、変動する場合があります。各銀行の公式サイトで最新情報を確認してください。
借り換え先選びでは「金利の低さ」「団信の充実度」「諸費用の水準」「手続きのしやすさ」の4つのポイントを総合的に評価することが、最適な選択への近道です。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、ネット銀行の中でも住宅ローン残高が特に大きく、豊富な実績を持つ銀行です。変動金利は業界トップクラスの低水準を提示しており、借り換えコストを抑えつつ金利を大幅に下げられる可能性があります。
全疾病保障が標準で付帯した団信プランも用意されており、保障面の充実度も高いです。「スマート認証NEO」による高度な本人認証を採用しており、セキュリティ面でも評価されています。
2025年10月にNTTドコモが連結子会社化(2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」への商号変更を予定)しており、今後のサービス拡充にも注目です。
住信SBIネット銀行の住宅ローンは、借り換え専用のシミュレーターや必要書類チェックリストが公式サイトで提供されており、初めて借り換えをする方でも手続きを進めやすい環境が整っています。
auじぶん銀行
auじぶん銀行は、全疾病保障付き団信(がん診断・就業不能も保障)を無料で付帯できる住宅ローンで知られており、保障の充実度では業界トップクラスの評価を受けています。
金利もネット銀行の中で低水準を維持しており、金利と保障の両面でコストパフォーマンスの高いローンを提供しています。三菱UFJ銀行とKDDIの共同出資による安定した経営基盤も安心感につながります。
auユーザーはau IDとの連携でサービスが使いやすく、auスマートフォンや各種auサービスとの親和性が高い点も魅力です。
auじぶん銀行の住宅ローン借り換えでは、全疾病保障付き団信が無料で付帯するプランが注目されており、保険料の節約と保障の充実を同時に実現できる点が多くの利用者に支持されています。
SBI新生銀行
SBI新生銀行は住宅ローンの金利が低水準で、諸費用の面でも比較的費用を抑えやすい設計が特徴です。SBI証券との連携機能も充実しており、金融サービスを一元管理したい方に向いています。
特に住宅ローンの優遇金利幅が大きく、店舗型銀行からの借り換えで大きなコスト削減効果が期待できます。一部の物件種別(中古物件・区分所有マンションなど)でも柔軟に対応しているケースがあります。
審査はオンラインで完結できるため、仕事が忙しい方でも手続きを進めやすい環境が整っています。
SBI新生銀行の住宅ローンは、インターネット経由での申込みで優遇金利が適用されるケースも多く、申込み方法によっても金利が変わることがあります。申込み前に公式サイトで最新の条件を確認することをおすすめします。
PayPay銀行
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は日本初のネット銀行として20年以上の実績を持ち、住宅ローンの安定した運営実績があります。
変動金利の水準はネット銀行の中でも低く、諸費用(事務手数料)が比較的低めに設定されているケースもあるため、借り換えの総費用を抑えやすい点が特徴です。
手続きはオンラインで完結し、書類提出もデジタル対応が進んでいます。LINEヤフーや三井住友銀行とのグループ関係に基づく安定した財務基盤も安心材料のひとつです。
PayPay銀行の住宅ローンは比較サイトでの評価も高く、総コストの低さという観点で検討に値する選択肢のひとつです。事務手数料の水準も確認した上で比較しましょう。
イオン銀行
イオン銀行は店舗型銀行としてイオンモール内に店舗を持ちますが、住宅ローンの金利水準はネット銀行に近い低金利を提示しており、対面での相談が可能な点が大きな特徴です。
「住宅ローンをオンラインだけで進めるのは不安」という方でも、イオンモール内の担当者に相談しながら借り換えの手続きを進められます。
全国のイオンモールに拠点を持つため地方にお住まいの方でも相談しやすく、ネット銀行の低金利と対面サポートを両立させたい方に向いた選択肢です。
イオン銀行の住宅ローンでは、審査の際に対面での相談を通じて補足説明が可能なため、書類上では伝わりにくい事情がある方にとっては有利に働く場合があります。
ネット銀行の住宅ローン借り換えにかかる諸費用

住宅ローンの借り換えには、金利の削減効果だけでなく、手続きにかかる諸費用も総合的に比較する必要があります。
主な費用項目を確認しておきましょう。諸費用の合計は借入金額や物件の状況によって異なりますが、一般的に50万〜100万円程度かかることが多いです。
諸費用は借り換えのタイミングで一時的に支払う必要があるため、手元に十分な現金があるかどうかも事前に確認しておきましょう。
事務手数料
ネット銀行の住宅ローンでは、事務手数料(取扱手数料)が借入金額の1.1〜2.2%程度(税込)に設定されている場合が多いです。
例えば、借入金額が3,000万円の場合、事務手数料が2.2%であれば66万円、1.1%であれば33万円の費用が発生します。定額制(数万円〜10万円程度)を採用している銀行もあります。
金利が低くても事務手数料が高ければ、借り換え効果が薄れる場合があります。総費用と金利削減効果を比較した上で判断することが重要です。
事務手数料の設定方式(定率制・定額制)は銀行によって大きく異なるため、借入金額が多い場合は定額制の銀行が有利になるケースがあります。必ず複数行を比較しましょう。
抵当権の設定登記・抹消登記の登録免許税
住宅ローンの借り換えでは、旧銀行の抵当権の抹消と新銀行の抵当権の設定が必要です。それぞれに登録免許税がかかります。
抵当権の抹消登記の登録免許税は不動産1件あたり1,000円程度と低額です。一方、新たな抵当権の設定登記の登録免許税は、借入金額の0.4%(軽減措置適用時は0.1%)が一般的で、3,000万円の借り換えなら12万円〜30万円程度かかります。
登録免許税は法定の費用であり銀行では割引できませんが、軽減措置の適用条件を事前に司法書士に確認しておくと節約につながることがあります。
抵当権の設定登記は新しいローンの融資額をもとに計算されます。借入金額が大きいほど登録免許税も高くなるため、借換え金額の設定も費用に影響します。
司法書士への報酬と諸経費
抵当権の抹消・設定の登記手続きは、原則として司法書士が代行します。司法書士への報酬は5万〜10万円程度が一般的ですが、物件の種類・所在地・件数によって変わります。
また、印鑑証明書・住民票などの書類取得費用や、金融機関への出向交通費なども諸経費として発生します。トータルで3〜5万円程度の雑費を見込んでおくとよいでしょう。
司法書士は借り換えを依頼する銀行や不動産会社から紹介を受けるケースが多いですが、自分で選ぶことも可能です。複数の司法書士から見積もりを取ることで費用を抑えられる場合もあります。
印紙税と全額繰上げ返済手数料
住宅ローンの契約書には印紙税がかかります。借入金額が1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円です。
また、旧ローンの全額繰上げ返済に手数料がかかる場合があります。無料の銀行も多いですが、事前に現在の借入先へ確認しておきましょう。
ネット銀行で住宅ローンを借り換える流れ

借り換えの手続きは、通常2〜3ヶ月かかります。以下の5つのステップで流れを解説します。
シミュレーターで借り換え効果を試算する
まず、各銀行が公式サイトで提供している住宅ローンシミュレーターを使って、借り換え後の削減効果を試算します。
現在の残高・残期間・現在の金利・借り換え後の金利などを入力するだけで、月々の削減額と総削減額の概算が確認できます。諸費用を差し引いた純粋な削減効果がプラスであれば、借り換えを検討する価値があります。
仮審査(事前審査)に申し込む
シミュレーターで削減効果が確認できたら、希望する銀行に仮審査を申し込みます。仮審査はオンラインで申し込め、結果は通常数日〜1週間程度で通知されます。
仮審査では、本人の属性(年収・勤続年数・雇用形態)と借入条件(残高・物件情報など)を提出します。複数の銀行に同時に仮審査を出すことも可能ですが、信用情報への照会履歴が残るため2〜3行程度にとどめることが推奨されます。
必要書類を揃えて本審査を受ける
仮審査通過後、本審査の申込みを行います。本審査では追加の書類提出が求められます。
源泉徴収票・住民税決定通知書・物件の登記事項証明書・現在のローン返済予定表などが一般的に必要な書類です。書類の準備期間を見込んで、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めましょう。本審査の結果は通常2〜4週間程度で通知されます。
本審査では物件の担保評価も行われます。物件の状態・築年数・所在エリアなどによって担保評価額が変わるため、事前に不動産会社や銀行に概算を確認しておくと安心です。
借入中の金融機関へ全額繰上返済を依頼する
本審査が通過したら、現在借り入れている金融機関へ全額繰上げ返済の依頼を行います。繰上げ返済の手数料や手続き方法は銀行によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
繰上げ返済の完了日は、新ローンの融資実行日と合わせて調整する必要があります。スケジュールは銀行・司法書士と連携しながら進めましょう。
繰上げ返済を依頼する際は、返済日から逆算して余裕を持って手続きを開始することが大切です。当日の振込操作ミスなどによるスケジュールのずれを防ぐために、事前に担当者と詳細を確認しておきましょう。
司法書士との面談・契約手続き・融資実行
司法書士との面談を経て、抵当権の設定・新ローンの契約・融資実行・旧ローンの一括返済が行われます。この日をもって借り換えが完了し、新しい返済がスタートします。
融資実行後は、新しい返済口座の設定・引き落とし口座の登録・団信の保険証書の受け取りなどを確認しましょう。手続き完了後も書類を大切に保管しておくことが大切です。
借り換えで失敗しないための注意点

借り換えを進める前に、以下の注意点を確認しておきましょう。失敗のリスクを最小限に抑えるためのポイントを解説します。
「金利が低い」「手続きが簡単」というだけで選ぶと後悔することがあります。条件を総合的に確認してから申込みに進みましょう。
諸費用を含めた総返済額で得になるか確認
借り換えの判断は、単純に「金利が下がった」だけで行うべきではありません。
事務手数料・登録免許税・司法書士費用などの諸費用の合計は、ケースによっては70〜100万円以上になることがあります。これだけの諸費用をかけても「借り換え後の総返済額が現在より少ない」かどうかを必ず確認してください。
削減効果が諸費用を上回るまでの期間(回収期間)を計算し、残りのローン期間内に回収できるかを判断することが大切です。一般的に回収期間が3〜5年以内であれば、借り換えの効果が高いと判断できます。
住宅ローン控除の対象期間や条件を確認
借り換えを行うことで、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用条件や期間が変わる場合があります。
借り換えた場合でも、一定の条件(借り換え後のローンが旧ローンの残高以内であること・物件の居住要件を満たしていることなど)を満たせば住宅ローン控除の適用が継続できます。しかし、条件が変わることで控除額が変動したり控除期間が短縮される場合もあります。
借り換えを行う前に、税務署や税理士に相談して住宅ローン控除への影響を確認しておくことをおすすめします。
住宅ローン控除は年間最大40万円の節税効果があるため、控除への影響は借り換えの判断に大きく関わります。金利削減効果だけでなく税制面での変化も含めたトータルコストで比較することが重要です。
借り換え時の団信は健康状態で加入できないことも
住宅ローンを借り換える際は、新たな団信への加入審査が行われます。健康状態によっては、借り換え先の銀行の団信に加入できない場合があります。
健康上の問題がある場合は、加入審査が緩い団信プランを持つ銀行を選ぶか、団信なしのローンを検討するなど、事前に対策を考えておくことが必要です。借り換えの検討段階から団信の審査基準も確認しておきましょう。
団信の加入審査は健康診断書や告知書の提出を通じて行われます。持病がある方は、ワイド団信(加入条件が緩い団信)に対応している銀行を探すことも選択肢のひとつです。
まとめ
ネット銀行での住宅ローン借り換えは、月々の返済額や総返済額を減らせる可能性があるほか、団信プランの見直しや金利タイプの切替えにも有効です。
ただし、事務手数料や登記費用などの諸費用が数十万円かかるため、削減効果と費用を比較したうえで判断することが大切です。
住信SBIネット銀行やauじぶん銀行など、低金利と充実した団信を兼ね備えたネット銀行も多数あるため、自分の状況に合った借り換え先を選びましょう。
シミュレーターで試算した上で計画的に手続きを進めることが、借り換え成功への近道です。
諸費用・住宅ローン控除・団信の3点を確認した上で、複数の銀行を比較して最適な借り換え先を選びましょう。





